EOS Kiss M を使い続けて。

EOS Kiss M を使い続けて。

EOS Kiss M が調子悪かったり、雨の日に弱い関係で持ち出すのを避けていたり、仕事で1番使うのが広角なのもあって持ち出すのは Z5 ばかりの日々。気付いたらNikon Zについてひたすら記事を作っていました。

実際、カメラの調子が悪くって撮りたい時に使えない時もあり、夏には熱暴走しやすかったり苦労することもありましたし、その影響か持ち出す機会も少なくなっていたり。

それでも Kiss M は気に入っているカメラで、本音はベタ褒めして記事を量産したい気持ちもあります。ですがどうしても気軽におすすめできない状況なのも事実。

今RFマウントのカメラがたくさん発売されている状況で、Kiss M は本当におすすめできないのだろうか?と思い、自分の正直な気持ちを少し書いてみようと思います。


あらためて、EF-Mマウントについて

2012年に CanonのEOSシリーズのコンセプト「快速・快適・高画質」を継承しつつ、小型/軽量化したミラーレスカメラとして EOS M が発売されました。同年に EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM や EF-M22mm F2 STM が発売され、それと合わせてEFマウントのレンズもEOS Mシリーズで使える様マウントアダプター EF-EOS Mも発売されました。

ボディはだいたい1年に1機種くらいのペースで発売され2018年にEOS Kissのシリーズでもある EOS Kiss M が発売、その2年後の2020年には EOS Kiss M2 が発売されました。

レンズは一部入れ替えもありましたが、現在に至るまでに合計7種類のレンズが揃いました。2018年にEF-M32mm F1.4 STMが発売、EF-Mマウントのレンズでは最も良い描写をし公式でLレンズに迫る描写性能と謳われています。

EF-Mマウントが展開されてからラインナップが揃うまで時間がかかりましたが、年数が経つにつれ最新の画像処理エンジンが搭載されたり、初心者をはじめとしたユーザーもしっかり獲得したカメラになり、M6 M5 Kiss Mの力もあってEF-Mマウントは多くの人に使われました。


あらためて、EOS Kiss Mについて

僕たちが初めて手にした一眼カメラ、それが EOS Kiss M です。

一眼レフカメラ EOS Kiss X8 の様なエントリー向けにラインナップされていたEOS Kissシリーズの1台ではありますが、基本はEOS Mシリーズの血を色濃く受け継いだカメラとして出来上がりました。それ故?か、日本以外では EOS M50 の名で販売されています。Kissシリーズは2018年に25周年であったのもあり、それに合わせてミラーレスでKissの展開をしたと考えることもできますね。

エントリー向けなのもありモードダイヤルで撮影スタイルを変える際にそのモードがどの様なものかわかりやすく表示されたりしています。ですが、基本的にはEOSシリーズのシステムで画像処理エンジンの恩恵もありしっかり写そうとすればしっかり写るカメラになっています。


Kiss M のネックな部分とRFマウント

EOS Kiss M は長らくCanonのシェアでもビギナー層をしっかり確保してきました。Kissシリーズの中でも特段軽く、同じEOS Mシリーズの M100 とファインダーの有無で選びやすく、値段も比較的抑えめなのがすごく魅力に感じていたのを覚えています。

そんなKiss Mのネックとなる部分は、今までの記事でも既出ですが、「マウント」についてでした。

EF-MマウントのレンズはEFレンズ群と比較してもなかなか増えず、ちょっとでも増やそう、良いレンズを買おう、と考えるとEFマウントのレンズが選択肢になってしまう。小型軽量でコンパクトには抑えるにはなかなか難しいところ。

2018年にはCanonからRFレンズが発売し、フランジバックが20mmとEF-Mマウントよりも長い設計となりました。新しくマウントをスタートさせるので気合の入ったレンズロードマップでF2通しのレンズには驚かされました。今まで一眼レフを使っていたユーザーへEFマウントへのマウントアダプターも数種類発売され、少しでもRFマウントへの乗り換えがしやすい様にと配慮が見えていましたね。ところが、EF-Mマウントも出るかと思いきや全く出る気配もなく。結果2022年現在もEF-MマウントのカメラにRFマウントのレンズを付けることはできません。

2019年に EOS RP が発売し、EOS Kiss M をフルサイズにしたかの様なカメラなのもあり今後はフルサイズのみで勝負していくのか?と勝手に想像していましたが、なかなかそういう訳でもなく。EOS R7EOS R10 の発売によりEF-Mマウントは継続しないことが確定となってしまいました。

カメラについての話では、よくレンズは資産と言われます。ボディは比較的短い期間で新しい物が発売されますが、レンズは新しい物が出るまで時間を要します。同じマウントであればずっと使い続ける事が出きる訳ですが、EF-Mマウントを買うとこれができなくなってしまいます。特に、スマートフォンのカメラ性能が良くなっていく中、カメラ機能以外の性能はほとんどの人にはあまりよく分からない状況。どんどんお値段も上がり、スマートフォンを買い換えるだけでカメラ1台買えてしまうお値段になってきています。性能が上がってきているカメラ機能に対抗しようとボディを買い換えたいと思っても、もう新しいボディにすることはできなくなる訳です。今のスマートフォンの値段は、モデル次第ではボディとレンズを合わせて買うことが出来るくらいの値段です。この値段でカメラ性能だけ上げるなら、カメラを新しく買ってみよう!って方には到底おすすめ出来ないのが正直な気持ちです。


Kiss Mへの気持ち

Kiss M は決して悪いカメラではないと思います。小型故の優位性もありますし、搭載されているものも決して古いものでもありません。Z5 よりうまく撮れたのでは?と思う写真もたくさんあります。このカメラに教えてもらったことはたくさんありますし、今でも大好きなカメラです。

それでも、マウントのことを考えるとこれから買うもので悩んでいる方であれば、おすすめは出来ないです。多少高くついてしまってでも、各社のメインとしているマウントであることや、シリーズの最新機種が数年前から止まっているなどしていないカメラから選ぶことを勧めます。

ですがもし、最近買った方がいらしたら、その方には是非沢山シャッターを切ってくださいって言いたいです。自分の見た景色を何枚もの写真に落とし込んで行って欲しいと思います。