【 Z 】のフルサイズ機 〈 Z6 Z5 Z6Ⅱ 〉の中で今から買うならどれが良い?っていうのを考えてみる

【 Z 】のフルサイズ機 〈 Z6 Z5 Z6Ⅱ 〉の中で今から買うならどれが良い?っていうのを考えてみる

Nikon Z シリーズのAPS-C機で今から買うならどれが良いのだろう?と考えてみましたが、今回はフルサイズ機で考えてみようかと思います。

現在(記事投稿時)のラインナップは、2018年に発売された Z7 と Z6、2020年に発売された Z5 と Z7Ⅱ に Z6Ⅱ、そして2021年発売の Z9 の合計6機種になります。この内、Z7 と Z7Ⅱ は高画素機、Z9はフラッグシップモデルとして販売されています。なので用途や一般層向けであることも踏まえて、Z6 Z5 Z6Ⅱの3機種でどれを選ぶと良いのか、と考えてみたいと思います。


NikonのZシリーズのラインナップはこんな感じ

まずどんなラインナップで販売されているのか、一旦整理してみたいと思います。

冒頭で「 Z7 や Z9 は除いて」としきましたが、整理してその理由も具体的にしていきます。

Nikonのフルサイズミラーレスカメラ6機種をヒエラルキー順に、価格.comの初値などを書いてみるとこんな感じになります。

モデル名ターゲット層特徴画素数価格.com
初値価格
価格.com
実売価格
発売日
Z9プロフェッショナルフラッグシップ4571万¥628,650円¥628,6502021/3/10
Z7Ⅱ
Z7
プロフェッショナル
-ハイアマチュア
高画素4575万
4575万
¥358,380
¥393,653
¥351,692
¥258,138
2020/10/14
2018/8/23
Z6Ⅱ
Z6
ハイアマチュア
-アマチュア
標準2450万
2450万
¥241,556
¥245,220
¥235,886
¥168,500
2020/10/14
2018/8/23
Z5アマチュア-エントリー入門2432万¥164,339¥140,9702020/7/21

Z7 と Z6 は旧製品になっているので、現行品だけで言えば4機種になります。

Z9 から Z7 までは高画素のモデルになっており2018年発売の Z7 は値段がある程度下がっていますが、初値は30万円以上、実売価格はZ7のみそれを下回る金額です。画素数が多ければ多いほど高精細ですが、写真1枚毎の容量も大き買ったりと使用面で少し苦労するかもしれません。

Z6Ⅱ は Z6 の後継機でブラッシュアップしたような性能をしています。Z5 は Z6 の性能面を一部削りつつもハード面を中心に改善されており、実売価格も近いことから比較対象になりやすいモデルになっております。

これから始めるにあたって扱いやすさや価格から考え、Z6Ⅱ から Z5 までの3機種からどれが良いか考えてみたいと思います。


3機種のそれぞれの特徴

比較する前にそれぞれの特徴をまとめてみたいと思います。

Z6

オールラウンドフルサイズミラーレスとして、写真と動画それぞれの性能をバランス良くまとめ上げたカメラです。

RAW設定時の連写数は9コマ/秒で裏面照射型のセンサーにより高感度耐性も良好です。

有償ファーム設定でBlackmagic RawやProRes Rawの外部収録も可能になり、より本格的な映像撮影にも対応することができます。

ファームウェアによりAF精度や速度も向上し、記録媒体にXQDに加えCFexpress TypeBも対応となりました。

画像引用元:Z 6 – ミラーレスカメラ | NikonDirect – ニコンダイレクト

Z5

Z7やZ6のハード面の難点を改善しつつ、コストを下げてより安価で高性能になるようまとめられたカメラです。

動画よりも写真に力を入れたような性能をしている為、4K撮影時クロップや有償ファーム非対応になっていたりします。

ハードで問題視されていたXQDの1スロットからSDの2スロットへ変更し、PD対応のUSB給電が可能

グリップ部分の剥がれも起きにくいように外面の形状を見直ししたりしています。

このモデルからインターバル撮影時のタイムラプス動画生成機能も追加されました。

画像引用元:Z 5 – ミラーレスカメラ | NikonDirect – ニコンダイレクト

Z6Ⅱ

Z6で良かった部分のブラッシュアップをし、Z5で改善されたハード面の良いところを踏襲したカメラです。

有償ファームによるRAWの外部出力を引き続き可能にしRAW設定時の連写を10コマ/秒へ、画像処理システムを1つ増加させて処理速度を速くすることで総連写コマ数を増加するなどしています。

XQD/CFexpressとSDのデュアルスロットで2つに対応し、Z5にて見直されたボディ形状を採用しUSB給電も可能です。

電子水準器や液晶展開時に自動でEVFのセンサーを切るなどUIを更に良いものへと改善しています。

画像引用元:Z 6II – ミラーレスカメラ | NikonDirect – ニコンダイレクト


それぞれの違いを比較してみると

それぞれの特徴を踏まえて、3機種の比較する上で注目するべきところを↓にまとめてみました。青色で書かれているのが一般的に優れていると言われるところです。

こうみてみると、ほとんどの部分について Z6Ⅱ が優れているとわかります。

Z6とZ5はボディなどのハードの面でブラッシュアップされており、ソフトの面では多数削られています。各項目からいくつかピックアップして私見を書いてみます。結構長くなりそうですので飛ばしても良いかもしれません…。

ボディやセンサーなど○の項目について

2. 背面液晶は Z5 では約半分のドット数になっています。その為、特に高感度撮影時にノイズが走りやすく撮影に頼りない印象です。

3. ミラーレスカメラになり、EVFを除いたまま全ての操作が可能になりました。その為、ボディ上部に表示パネルがなくてもほとんどの場合困りませんが、最終確認時などに必要としている場合はパネルの有無は重要となるかもしれません。

6. Z5 以降PD対応のUSB給電が可能になりました。長時間の撮影をしなければならない被写体の場合、この給電できるかできないかがカメラの選択で最重要となる場合があります。

8. センサーの仕様上、明るい場面でのみ撮影をする場合は色表現の豊かな表面照射型のセンサーを好む方もいるそうです。しかし、高感度撮影時は裏面照射型センサーと比較するとノイズやAFの挙動に苦労する場合があるので、暗い場面での撮影をよくする方はよく考える必要があるかもしれません。

9. XQDの方がSDよりも剛性も高いのでデータ紛失の恐れは減りますが、2枚挿との比較の場合とどちらがリスクを抑えられるかは難しいところです。費用もSD<XQD<CFexpressとなり値段差も1万円以上あります。本体価格+記録媒体で予算似合うかも検討しましょう。

性能面の□の項目について

3. AFの精度について大きく性能差が出ます。特に Z5 の場合は少し暗い場合でも検出に迷いが生じるので、AFを重要視する場合はよく考えましょう。

4-7. 動画性能について、明確に差があります。Z5 では4K撮影は出来ますが1.7倍クロップされてしまいますし、LogやRawの撮影にも対応していません。Z6 と Z6Ⅱ はどちらも対応しており、動画性能についての大きな差はありません。

8. Z6 ではインターバル撮影とタイムラプス動画のどちらかしか選ぶことができません。その為、基本的にはインターバル撮影した写真を自身で動画にする必要がありますが、Z5 と Z6Ⅱ ではインターバル撮影にて撮影した写真で動画の生成も可能になっています。その為、撮影後すぐに動画の確認や使用が可能であり、後ほど写真から動画を作るか、写真だけを編集するかなど幅広い対応が可能になっています。


結論、どのカメラを選ぶべき?

静止画と動画、どちらも両刀したい…

この場合はZ6が最も適していると思います。

予算を抑えつつ、度重なるファームアップにより改善された撮影性能は心強く感じるはずです。連写を必要とする被写体や高感度に十分対応することができるので、より幅広い撮影をすることができます。まだ明確に被写体が決まってない方でも安心して使えるかと思います。動画を始めたいと思った際、4Kでの記録やスローモーションでの撮影も可能にしつつ有償ファームによりRAWなども収録できるので、本格的な動画撮影/編集にも対応できてしまいます。

ただし現在旧製品扱いとなり、発売日の関係上故障対応期間も最も速く終了する可能性があるので、その辺りは注意しましょう。


静止画を中心に、長時間の撮影をしたい…

動画をあまり考えていないのであれば、Z5が適していると思います。

フルサイズのミラーレスカメラでは2020年発売ながら EOS Rp に次いで安価で購入でき、防塵防滴性能やボディ内手ぶれ補正の搭載なども搭載しているのでより本格的な運用が可能です。SDの2枚使用が可能なのでデュアルスロット必須な現場でも対応でき、豊かな色表現の写真を撮影できます。USB給電対応により長時間の撮影が必要な撮影も可能になるので、夜間撮影などをする方にとっては心強いかと思います。

AF周りについては少々難点があり、動画も本格的に始めようとするとフルHDがメインとなるので、今後そのあたりを必要としないか注意しましょう。


予算に余裕があり、Zで静止画や動画を本格的に…

予算がある場合はZ6Ⅱが良いかと思います。

画像処理エンジンの処理速度が向上したことでバッファの回復も早く、より長い時間連写をすることができます。長時間の撮影にもUSB給電に対応しているので安心です。CFexpressとSDを使い分けることで高速処理が必要な場合とそうでない場合とで分けての使用が可能です。Z6 同様にRAWの収録による本格的な動画撮影/編集もすることができます。クロップはされますが、Z6ではできなかった4K60pでの撮影もできます。全体的にUIが改善しているので最も使い心地は良く感じるでしょう。

逆に連写や給電、スロット数やAFの検出輝度をそこまで求めなければ、値段から考えて Z6Ⅱ を選ぶのには少し根拠が足りないかもしれません。


おわりに

カメラ選びってすごく悩みますよね。僕もメーカーからひたすら悩みに悩んで決めました。

僕の場合は予算と機能から Z5 だと決めました。

ここ最近は動画を撮ることが増え、余裕が出てきたら Z6Ⅱ と Z30 を導入したいなぁって妄想してみたり。

この記事がこれから Z でカメラ始めようと思ってる方に、少しでも参考なったらなって思います。